梵鐘 林島町・林昌寺
(県指定文化財 工芸 昭和30年6月6日指定)
林島町にある林昌寺は臨済宗妙心寺派の寺院です。この梵鐘(ぼんしょう)をつるす竜頭(りゅうず)は双竜形で、鐘身は緩やかな曲線を下部にのばしてふくらみを持たせています。中帯はやや下めで撞座(つきざ)にはクルミ型の弁がつき、4区に4段4列の乳を配しています。銘文には「熱田宮神宮寺 延徳元年十月十三日 願主 正阿弥 檀那 浅井備中道慶庵主 大工 藤右衛門尉 同刑部大夫 同彦右衛門尉」と書かれており、もとは熱田神宮寺にあったもので、延徳元年(1489)に制作されたことがわかります。堂々とした風格を備え、美術的にも歴史的にも価値ある梵鐘です。